祖母を見舞いに ~D列車で行こう~ |
独り暮らしの祖母から電話が入った。 すっかり体調が良くなったので会いに来て欲しい、という。 私の両親が遠く離れた場所に住んでいることもあって、 両親に代わってたびたび祖母に会いに行く。 折りしも、私のクルマは使えない状況にあった。 パンクして、頼んだタイヤが届かないままなのだ。 困ったものだ。祖母の住む隣県の町まではそんなに遠くはないが、クルマがなくてはなかなかに不便だ。 行きの道のりは私の連れに送ってもらったが、 用事があって帰らざるを得なくて、帰り足を電車にする。 土用の丑の日。 祖母の自宅で食べて飲んで、 僕の住む街に帰ることにした。 …そう、D列車、鈍行で。 田舎に新幹線が通ると、 近中距離の移動が極めて不便に なる。 新幹線で30分、鈍行で1時間の 距離。それで新幹線なら3000円! なんだかバカくさい出費だ。 都市近郊線や地下鉄とはまったく違う世界。人がいないし、座席もボックス席。これで最終列車なのだ! ガラガラ過ぎる。 5番線まである隣のホームには、1時間後に5つ先の駅まで走る、超近距離の最終列車が待機している。 1時間前に入線しているというのも スゴイ。 吹き込む夜風が涼しい。 田園を走る列車は 思いのほか騒々しい。 列車の走行音、 踏切を通過する音、 耳を澄ませば 蛙の鳴き声も聞こえる。 一駅毎に車内放送が入り、 一駅一駅、列車は止まる… 鈍行列車に揺られながら、 とうとう終着駅に着く。夢うつつに眠い眼をこすりながら。 |
by Taragona
| 2006-07-24 01:02
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